ワーパパインタビュー「自由に使える時間」を最大限確保することに重きをおく!
メイヤーさん
東京都 / 30代前半 / 社内SE / 正社員
家族構成:自分・妻・娘(2歳)
仕事について
出産前Before
私立大学職員/情報システム企画正社員
9:00~17:00 ※年20日ほど休日出勤あり
出産後After
ベンチャー企業/社内SE正社員
平均10:00~19:00(裁量勤務)
お仕事について教えてください。
ベンチャー企業で社内SEとして働いています。情報システムの企画、構築から運用まで、なかでも主に社内ネットワークの整備と、それに付随するセキュリティ周りの諸々を担当しています。大小さまざまなプロジェクトが同時並行で進んでいるうえ、社内ユーザのサポートも割り込みで入ってくるので、日によって業務内容も流れも大きく変わります。その日の業務次第で働くオフィスが変わることもあります。
裁量勤務なので決まった勤務時間はないのですが、特段差し迫った事情がなければ大体10時~19時の時間で仕事をしています。朝は満員電車を避けると、この時間になり、帰りは午後から夕方にミーティングや来客対応をすることが多いので、このくらいの時間になります。
お子さんの体調不良などのときにお休みは取りやすいでしょうか?職場の雰囲気はいかがですか?
必要に応じてリモートでも仕事ができますし、成果を出していればとやかく言われることはありません。子どもの体調不良のときは、これまでは午前中は私が家にいて対応し、午後、妻が帰ってきてバトンタッチというケースが多かったです。
リモート勤務もできるんですね。これは社員の方はどなたでも使える制度なのでしょうか?
はい。しかるべき承認がおりれば、裁量勤務ではない社員でもリモートOKです。
実際にリモート勤務する日も、私は管理監督者で裁量勤務ということもあり、特別な申請が必要ということはなく、マナーとしてチームメンバーに「今日はリモートにします」と一声かける程度です。リモート勤務のときはSkypeのチャットなど文字によるコミュニケーションになるので、会話をするときよりも数割増しで言葉に気を遣っています。対面で話すといい感じに伝わるのに、文字にすると誤解を生んだり、角が立ったりすることってありますよね。
分かります。文字ベースのやり取りだとうまく伝わらないことはありますよね。お子さんが産まれてから転職をされたそうですが、転職した理由を教えていただけますか?
前職の大学職員時代は、月に1回必ず土曜日に出勤しなければならないうえ、システムリプレイス(※)やオープンキャンパス、入試業務などで休日出勤がありました。また、時間の融通がまったくきかず、特に子どもがうまれてからは「決まった時間に絶対ここにいなければならない!」という同調圧力がとにかく辛かったです。また、古い考え方の組織だったため、父親が育児に時間を割くことにほとんど理解が得られず、上司の意向で有休もかなりとりにくい雰囲気でした。
こういった職場の不理解に加えて、とにかく土曜出勤が負担だったこと、業績不振でボーナスが大幅に減らされたことが転職を決めたマイナス面の理由です。一方、プラス面の理由としては情報システム関連の転職市場が超売り手市場だったことがあります。仕事自体は好きだったので、波に乗っちゃいました。あまりにドラスティックな転職だったので、私の親はあきれていましたが、現職では以前の不満はおおむね解消できました。
※利用している社内システムなどを新しいバージョンに入れ替えること。業務に利用するシステムを停止する必要があるケースが多いため、週末・夜間など業務時間外に対応するケースが多い
それは転職してよかったですね。転職活動はいかがでしたか?
転職では土日祝休みと、収入面で現状維持以上の待遇を重視しました。土日祝がお休みの企業が意外と少ないんですよ……。転職活動自体はエージェントに登録してから2ヶ月程度で複数の内定をいただけたので、まぁまぁ順調だったのではないでしょうか。
生活について
タイムスケジュールSchedule
- 6:30
- 起床。家事、食事、子どもの着替えなど
- 8:00
- 送り出し。運動や勉強など
- 9:30
- 出勤
- 19:30
- 帰宅
食事、子どもと遊ぶなど - 21:00
- 入浴後の子どもを引き取り、寝かしつけ
妻との会話やブログ執筆など - 23:00
- 就寝
保育園までの距離、送り迎えの担当を教えてください。
自転車で15分ほどの保育園に通っています。雨の日は電車と歩きでやっぱり15分ほどかかります。送り迎えは主に妻が担当していて、妻の体調がすぐれないときや予定があるときにバトンタッチして私が行きます。送りは月に2~3回くらい、お迎えは妻の仕事が忙しくなる月末や月初に代わるケースが多いです。
自転車で15分ほどだとご自宅から少し遠い保育園なのかと思いますが、保活はいかがでしたか?
全国的に有名な激戦区に住んでおり、一次で全滅しました。それから妻があちこち電話をかけまくりましたが、認証はすでにどこも満員で、ようやく月8万円の認可外保育園で入れるところが1ヶ所見つかり、夫婦2人で藁にもすがる思いで見学にいきました。結局、二次でギリギリ新規の小規模保育(認可園)に引っかかり、そこに通えることになりました。今の認可園には本当に満足しており、経済的にも助かっていますが、この認可外を押さえられたときの安堵感は今でもリアルに思い出せます。
妻が育休中に保育園巡りをしていましたが、結局は保護者の勤務状況などによる点数である意味ランダムに割り振られるのにこの行為に果たして意味があるのか……というのは疑問でした。膨大かつ欄が小さい書類を手書きで書かされたことにも強い不満がありました。
また、保活で実績があると有名な区議がいて、一次で全滅したときに「もしかしてなんとかなるのでは?」と思い切ってメールをして相談したのですが、そのときに「皆さん希望園を30ヶ所くらい書いています」と教えてもらいました。それが二次募集に応募する直前のことで、結局13ヶ所ほど希望を書いて二次募集に応募しましたが、そもそも第5希望までしか欄が用意されていないフォーマットなのに第30希望くらい書き込むことが暗黙の前提となっている運用にも仕事柄すさまじいフラストレーションを感じました。
申し込みのときに子どものマイナンバーも必須だったことに申し込み当日に気づきました。実は恥ずかしい話ですが、子どものマイナンバー通知カードが届いたときに不在にしており、産後のバタバタのなか再配達期限が過ぎて役所に返送されてしまっていたので、急いで役所に通知書を取りに行った、ということもありました。役所に出す書類の証跡を役所に取りに行くという不条理に乾いた笑いが止まらなかったことを思い出します。マイナンバー、なにに使ったんでしょうね。
今通っている保育園自体は素晴らしい園ですが、小規模ゆえ来年度はまた保活のやり直しです。
来年度の保活はまた厳しそうなのでしょうか?
現在の保育園の1つ上の子たちはみんな入れているので、たぶん入れるんじゃないかなと楽観的に構えています。特に対策はしていないですね。
普段の家事分担はどのようにされていらっしゃいますか?
洗濯系はだいたい私が、料理は主に妻が担当していますが、休日は私がやります。掃除は気づいたらできる人がやるようにしているのと、あとはルンバを使っています。家事の分担については長きにわたる闘争の果てに現在の秩序が築かれた感じはあります。
長きにわたる闘争……ともあれ今はうまく分担されているようでなによりです。家事と子育てを両立するうえで必須のサービスやアイテムがあれば教えてください。
食洗機、洗濯乾燥機、ルンバです。「三種の神器」とはよく言ったもので、これがない生活はもう考えられません。特に食洗機と洗濯乾燥機の威力は甚大です。あとはネットスーパーもよく使います。多くても重くても玄関まで持ってきてもらえるのは助かります。
こういったサービスやアイテムもそうですが、私たち夫婦は「時間」に重きを置いて生活しており、「いかに面倒なことをハックできるか」というライフハックをいつも考えている感じがします。
確かに時間は大切ですよね。ライフハックではどういったことを考えていらっしゃいますか?
転職や「三種の神器」もそうですし、もちろん自分たちの能力やお財布との相談にはなりますが、時間や場所の融通がきく職を選んだり、もろもろの家事はお金を払ってだれかにやってもらったり、文明の利器を取り入れたり思い切ってサボったりして、極力「自由に使える時間」を最大限確保することを大事に考えています。
子どもと一緒にいられる時間、特に子どもに積極的に関われる時間は長期的にみれば本当に限られていますし、また、育児や生活、ひいては人生を無理なく維持継続していくには、自分の時間もしっかり確保しなければいけないと思います。そのため、子どもが生まれて以降はあまり本質的ではない作業に追われることに異様な嫌悪感を抱くようになりました。満員電車の通勤や細かい書類書きなどはその代表的なもので、保活の制度的なお粗末さにブチ切れまくっているのもたぶんそのためですね。
確かに子どもと密に関われる時間は限られていますよね。家事をだれかにやってもらうというのは家事代行などを使っているのでしょうか?
家事代行というか折々で掃除のプロにきてもらっています。「おそうじ本舗」というハウスクリーニングサービスを使っており、浴室や台所の換気扇、エアコン掃除などをお願いしています。このあたりは素人がやると手間の割にドツボにはまりがちなので、プロの仕事ぶりに満足しています。