中学生になって塾や部活が増えると…えっこんなにヘビー?
ばんりさん
東京都 / 40代前半 / 事務 / 契約社員
家族構成:自分・夫・息子(中1)・娘(小5)
息子さんが通われているのは公立の中学校でしょうか?
公立です。家から歩いて20分前後ですが、小学校と比べて遠くなり、本人も「遠い」とぼやいています。
小学校と中学校で一番違うと感じたことはなんですか?
制服です。息子の中学の制服は白いシャツですが、襟が汚れやすく、普通に洗濯機に入れただけでは絶対に襟汚れは落ちません。毎日別途摺り洗いが必要で、そんなに暇じゃないんだけどとイラっとします。なんでよりによって汚れが目立つ白なのか理解に苦しみます。しかも靴下も白と決まっているので、こちらも汚れが目立ちます。かつて制服のシャツの色を白に決めた人は、絶対に自分で洗濯しなかった人間だと思います。そして、ズボンも洗濯可能とは言われますが、毎日洗える素材でもないですし、かといって定期的に洗わないと臭いが気になります。女子はプリーツスカートの学校が多いので、もっと大変だと思います。白のブラウスだと下着が確実に透けますし、透け防止のためなのか夏服がベストスカートの学校も多いですが、暑さ増し増しで、あほなのかなと。色を白じゃなくすればいいだけの話なのに、「清潔感」「学生らしさ」にこだわるあたりに日本の限界があると思います。「全部の学校で制服廃止にならないかな」と切実に思います。
入学までの準備はいかがでしたか?
制服をはじめとする必要用具をそろえるのは面倒でした。夏冬の制服と指定運動着、指定バッグなどで10万円が軽く飛んでいきました。公立中学に進学するのに10万円が吹っ飛ぶというのは、ちょっとどうなんでしょうね。制服は指定されたお店に行って採寸して購入。バッグも指定されたお店で購入します。指定がなければ自由競争でもっと安くなるのではと思わなくもないです。そもそも、服もバッグも家に今まで使っていたものがありますし、新しいものをわざわざ買う必要性を感じられませんでした。
結構な金額がかかるのですね……。入学してからはいかがですか?
生活がガラっと変わり、本人が慣れるのに四苦八苦していました。登校班がなくなって、自由登校になったのですが、早く行きすぎると学校が開いていない、遅く行くと遅刻ギリギリで、タイミングがよい時間を見つけるまでにちょっと時間がかかりました。
部活は、入部届の締切期限直前まで迷って、運動部に入部しました。ほぼ毎日18時すぎまで練習があることに驚きました。部活がないのは、平日に1日、土日どちらか1日の週2日で、土日の場合は朝7時から練習があるので、先生たちが大変すぎると思いました。部活がはじまり、今まで通っていた習いごとや塾の時間があわなくなり、スケジュールを組み立てなおしました。部活が長引いて遅れそうなときは塾や習いごとに連絡をしたり、振替の相談をしたりと、親のマネジメント能力を試されている感が半端なかったです。夏休みも、試合があるときは6時集合で、お弁当も必要なので、当然親の負担も増します。高校終わるまで、部活がある限りこれが続くのかと覚悟を決めているところです。
部活もかなり大変そうです……。どんな部活なのでしょうか?
運動部です。夏休みも週5回、朝7:00~10:00で練習です。ガチ運動部だともっと大変らしいですが、息子の入った部はそれでもゆるっとしている方で、具合が悪いときは連絡をすれば休んでもOKです。ほかの運動部では、顧問や先輩によっては休むとなにか言われる部活もあるそうですが、息子の部はそういうことはないようです。ただ、休むとその分試合に出る機会が減るという面はあるかもしれません。休むときは朝の8時前に電話を入れますが、日曜日以外は必ず先生が電話に出ます。先生、マジで大変です。しっかり休憩はとる、休憩時にはエアコンのある教室で休むなど対応してくださっていますが、それでも熱中症ギリギリだと思います。ただ息子本人は案外楽しくやっているようです。こういう技ができるようになった、先生に教えてもらった筋トレやったら筋肉がついてきたと、割とノリノリです。夏休みは、前日22時まで塾の夏期講習を受けた日は朝起きられず、ちょくちょく休んでいました。
息子さんが楽しんでいるのはなによりです。普段は部活が遅いと、帰ってからが大変なのではないでしょうか?
平日の息子のスケジュールは、
8:00~18:45 学校(授業&部活)
19:10~21:30 塾(週3日)
です。塾は授業がはじまるのが19:10なので、開始までには席に座っていたいとなると、実質晩ご飯の時間は15分あるかないかです。この時間にあわせて帰宅して晩ご飯を作らないといけないので、私も確実に小学校時代より忙しくなりました。
またとにかく部活が忙しいので、習いごとを整理しました。ピアノはやめ、それ以外の習いごとは本人の希望で継続し、時間に比較的余裕のある土曜日にまとめました。ただ、その結果、土曜日に授業参観がある日は、
8:00~12:00 学校
13:00~15:00 体育系の習いごと
16:30~19:00 スイミング
というスケジュールで、家にいる時間に食べさせて休ませて、という感じです。
夏休み期間は学校がない代わりに夏期講習(19:00~21:30)に通っています。こなしている本人は間違いなく大変ですが、合間に世話をする親も大忙しです。
さらに、試合のある土曜日は
6:00~12:30 部活(試合)
13:00~15:00 体育系の習いごと
16:30~19:00 スイミング
19:00~21:30 夏期講習
と、朝から晩までみっちり予定が入り、帰ってきたときにはさすがに息子自身が「やばい、死ぬかも」と言うほど疲労困憊でした。「どれか休んだら?」と言ったのですが、本人が「行く」と言ったので止めようがなかったです。ハードすぎる。
本当に忙しいですね……。中学にもPTAはあるのでしょうか?
PTAあります。父親が有志で参加する、父親の会もあります。入学式終了後に、会場の体育館でPTAの役員決めがあり、決まらない限り子どもたちとの集合写真が撮れないというシステムでした。「早く写真が撮りたければ(帰宅したければ)、どんどん立候補して」という圧力があり、正直なところ、反感しかありませんでしたし、入学式直後に時間を天秤にかけての脅しかよと言いたくなりました。うちの中学校のPTAは、過去に学校が荒れたときに学校と協力して(むしろメインになって?)立て直しをしたという自負があるようで、やたらと体育会系です。体育会系が嫌いなのと、入学式の役員決めで、私はいきなりやる気がなくなりました。それを家で言ったら夫が全面的にやってくれることになり、正直安心しています。なんとか3年、波風立てずにしのいでいきたいところです。
入学式直後からは勘弁してほしいですよね。PTA自体はどんな活動があるのでしょうか?
いろいろあるようですが、運動会のお手伝いや、地元主催のイベント運営、自治体が主催する子育て関連の偉い人の講演会に人数合わせで出席といったものが多い印象です。学校の業務の手伝いも小学校より多く、「地域と保護者と一緒に学校を盛り上げる」と言えば聞こえはいいですが、完全に人手不足の穴埋めになっている感じは、小学校よりも強いです。それから、小学校よりも「地元」となにかをやることに人手を出している雰囲気もあります。中学校も「地元」も人手不足なので、PTAの仕事にしておけば文句なく親を使えると思われていると、ひしひしと感じます。PTAでは1人1つの仕事が割り当てられます。つまり1年生が100人いれば、100個の親の仕事があって、この100個の仕事を「公平に」割り当てるための本部役員がいます。完全に仕事のための仕事ですよね。中学校は3年間しかないので、PTAのやっていることに言いたいことがあってもやり過ごすし、言いたいことがある人たちがやり過ごしている結果、やりたい人たちが集まってより先鋭化していくんだろうなーと思っています。
小学校より関わる時間が短い分、我慢すればいいと思う人も多くなりそうですよね。ばんりさんご自身のお仕事などはその後いかがですか?
子どもの進学とは関係ありませんが、4月から事務寄りだった仕事が、より専門職寄りになりました。高校から文系選択の私ですが、この年にして化学と物理の知識が必要になるとは思わず、必死で勉強しています。子どもたちには勉強が大切と言っていますが、まさに自分で実感する日々です。
あとは、息子の下校から塾の時間にあわせて晩ご飯を作るので、残業はしなくなりました。定時に本気で帰って、本気でご飯を作らないと間に合わないです。どうしても間に合わないときはレトルトカレーです。早めに帰宅する5年生の娘は、電話を入れればご飯を炊いてくれるので、そのご飯とカレーでなんとかして!と言うことはあります。できるだけやりたくないですが……。息子が塾に行くので、週に3日は娘と2人で晩ご飯ですが、私を独り占めできる時間が増えたので、娘は前よりも落ち着きました。ゆったりとご飯を食べながら2人でおしゃべりしたり、テレビを見たりしています。こういう時間が娘は必要だったんだろうなと思います。息子の塾は、終わる時間を見計らって私か残業して遅く帰る夫が迎えに行くようにしていますが、私と帰るときはおしゃべりしながらなので、それはそれで息子との2人時間がとれてよいかもしれません。
夜の時間帯に子どもの予定が入ってくるのは大変そうです。お子さんたちの成長を感じることはありますか?
子どもはどちらも思春期&反抗期の入り口で、小さいときとは違うアプローチで、ちゃんと向かい合わないといけない感じはあります。そこもこれまでと変わったところですね。小学校時代は子どもから「一緒に寝よう!」と誘ってきましたが、それが少なくなりました。1週間に1回くらいになったので、夜子どもたちが寝てから自由時間ができました。夕食後も、子供たちが好きなことを好きにやっているので、1人でテレビを見たり、音楽を聴きながら本を読んだり、勉強したりできます。うれしいことはうれしいですが、寂しさもありますね。娘を左手、息子を右手で腕枕して、くっついて寝ていたことが懐かしくなっています。意識して子どもたちとの良い距離感を探さないといけない時期になりつつあるのと同時に、夫との関係も子どもたちを間に挟んだ形から、もう一度私たちだけで向き合う形に再構築しないといけないんだろうなと思っています。
また、小学生時代にはあまり気にならなかったお金の使い方や家事など、社会で1人の人として生きていくためのスキルを徐々に身につけさせないといけないと考えながら、日々接しています。家事は親がやった方が早いので、うっかりすると全部やってしまいがちですが、やらせないことには身につかないので、洗濯物を取り込む・たたむ、ご飯を炊く、できそうなおかずを作ってもらう、お風呂掃除など、彼らができそうなことは任せるようにしています。仕事が終わってから家に電話して「やっといて」と言えばやっておいてくれることも少しずつ増えています。「やだ、めんどくさい」と言われることも多いですが……。少しずつつないでいた手を離して、少し遠くから見守るようなイメージですね。