公開: 作成:2020年10月31日

育休から復帰した仕事は[女性]の仕事…自分を活かせる部署へ配置転換を実現!

みゆきさん

愛知県 / 30代前半 / メーカー・人材開発部 / 正社員
家族構成:自分・夫・娘(3歳)

仕事について

出産前Before

メーカーの経営戦略室
正社員
8:30~17:30 ※残業月10~30時間

出産後After

メーカーの広報部→人材開発部
正社員
9:00~16:00

お仕事について教えてください。

メーカーの人材開発部で、階層別教育の整備や、年間の各種研修の企画運営、関連会社の実習生受け入れなどを担当しています。作業としては、資料作成3割、メールや電話対応2割、企画2割、打ち合わせ1割で、残り2割がその他、といった形です。年度や月間でのルーティン業務は多少ありますが、1日単位での決まった流れなどは特にありません。

教育や研修を担当されているとなると、今回の新型コロナウイルス対応でいろいろと大変だったのではないでしょうか?

人材開発部に異動してからまだ日が浅いので、これまでとの比較は難しいのですが、先日参加したグループ会社主導の研修は、従来であれば集合研修だったところがオンライン研修になりました。同時に約100名をつなぐ大規模なもので、新しい時代を肌身で感じています。逆にコロナが落ち着いたら集合研修復活に伴い、出張が増えると思うので、そのときはどう家庭と折り合いをつけるか懸念があります。

異動したということですが、異動のきっかけや理由などを伺えますか?

育休から復職する際に広報部に異動となり、社内報の作成やWebサイト管理、グループ会社向けの情報提供、社内イベントの写真撮影を担当していました。役員関係の秘書業務も半分ほど担当していたのですが、「女性」にあてがわれた仕事、と思わされる場面が多々ありました。かなり悩んで、どうやってもう一度配置転換にこぎつけるか日々考え続けて、コツコツ積み上げました。

異動はご自身で希望を出されたのですか?

弊社には異動希望などの制度は存在しませんので直談判しました。経緯としては、本部長が半年に1回1人ずつの面談を設定してくれていたので、そこで訴えることをまず目標に設定しました。本部長と自分のニーズがwin-winになるよう意識し、彼のニーズの観測・推測からはじめました。異動は同じ本部内だとハードルが低いので、彼がテコ入れしたいと思いそうな部・課を、周囲との雑談や資料などから当たりをつけていきました。そのうちの1つが現職の人材開発部門です。
そして配置転換の希望理由は、ネガティブとポジティブの2方向で整理しました。ネガティブは「この仕事を続けるのは精神的につらい」「退職を考えている」など、ポジティブは「自分の資質を活かしてもっと貢献したい」「これまでの実績を新しい仕事でぜひ活かしたい」などです。自分の資質はストレングスファインダーの診断と認定コーチなどによる読み込みで深めました。ストレングスファインダーの診断は、公式のWebサイトで受けましたが、診断結果だけでは正直なんなのかよくわからない部分がたくさんありました。認定コーチの方に助けていただきながら、理解を深めていくことが大切だと感じています。もちろん書籍やWebで調べるのもよいですし、私自身、今も勉強会に参加したり関連情報を調べたりしています。各資質の特徴や、資質が実際に自分のどんな行動にあらわれているのか、自分の強み・長所にどう活きているかがわかり、かなり自己理解が進みました。
実績については業務を棚卸し、数値で改善が見えやすいものに比重を置いて取り組みました。具体的には作成物のコストを50%削減していたので、その内容です。そもそもその削減の過程でも、異動できそうな先(人材開発部部門)の業務と関連する点を意識して、日頃から報告するようにしていました。その結果、準備から1年ほどで異動できました。合わせて推薦・昇格もさせていただきました。

しっかり準備して希望を叶えていらっしゃってすごいです!産後に違う部署での復職だったということですが、こちらもみゆきさんの希望だったのでしょうか?

産前は新卒で配属された経営戦略室でした。海外子会社の損益管理・改善活動、FS(※)作成、工場移転や設備新設時の現地行政向け書類作成などを担当していました。この仕事では会社全体の俯瞰と同時に、技術・営業・経理・製品のつくりの知識などまで、幅広く深く求められると感じていました。新卒でいきなり配属されてもできることは必然的に限られてしまう場所だったと思います。7年少しがんばったものの精神的に負担が大きく休職、ほぼ同時に妊娠、産休・育休取得となりました。育休から復帰する2ヶ月ほど前に面談があり、配慮をするので元の部署に復帰してくれないかという話はありました。しかしほかの部署で新しくお役に立ちたいと強く希望を出し、配置転換となりました。ただし、配属先は希望した場所ではなく、会社都合での人手の足りない部署で、それが広報部でした。
※フィジビリティスタディ:プロジェクトや計画が実現可能かどうかを事前に検討・調査すること

人材開発部でのお仕事はいかがでしょうか?

まだ日は浅いものの、この仕事ならストレングスファインダーで知った自分の資質を活かしやすいという実感があります。また、これまでの2部署では、自分自身が働き方に迷い、人材育成の仕組みへの不満も大きかったです。今、研修や教育にかかわるなかで、かつての自分を再生産しないように、同じことで悲しんだり、悔しい思いをしたりする人が減るように、ということが大きなモチベーションになっています。

職場の雰囲気はいかがでしょうか?お子さんの体調不良などでのお休みはとりやすいでしょうか?

基本的には普段から愛想よくポジティブに積極性を表明することで、信頼残高をコツコツ積むように努めています。そのためなのか、子どもの体調不良での休みについて直接ネガティブな反応をされたことはありません。あとは、スケジュール表(工程表)やマニュアルの作成、こまめな上司への報告、できる限り電話ではなくメールにして形に残すなど、自分もほかの人もリカバーしやすい仕組みづくりを心がけて、休んでも影響を最小限にできるようにしています。ただ、世代による考え方の違いや、そもそもの女性の働きやすさへの関心の薄さなどはあります。

世代による考え方の違いは、どういったときに感じられるのでしょうか?

たとえば子どもを優先して仕事を休むときなどに感じます。「自分たちはそんな制度なかったのに」という空気だったり、「ママが近くにいるのが一番だよ(=それが母親だ・女は仕事しなくていい)」という言葉をかけられたり、など……。
年齢の近い友人たちとの話からは、私たちの世代はまだまだ性別で任される仕事が違う現実があるなかでも「共働きが一般的・性別を理由に不当な扱いをされるのはおかしい・夫が育児をするのは特別なことではない」という考え方があるように感じています。弊社は女性が働きやすいとはいいがたい部分があるものの、上の世代の方々はそうとらえておらず、「昔はもっとひどかった・今の人は恵まれている」という視点を持っている人が多いように思います。悲しくはありますが社会の現実だと考えています。次世代のために、自分たちができることをしていきたいです。


生活について

タイムスケジュールSchedule

5:00
起床。読書・ストレッチ・オンラインサロンやSNSをチェック・投稿
6:30
食洗機の中身片付け、朝食準備、洗濯物仕分け、乾燥機かけないものは干す
7:00
朝食、子どもの朝食、炊事片付け、子どもの着替え、自分の着替えメイクなど支度
7:45
子どもを乗せて車で出勤
8:15
職場すぐの保育園に子どもを預ける
8:45
会社着
16:15
会社発
16:45
子どもを迎えに行き保育園を出発、車で帰宅
17:15
夕食準備、子どもの保育園からの持ち帰り物の片付けや洗濯、干してあった洗濯の取り込み、乾燥済み洗濯の片付け
18:15
食事、片付け、絵本などで子どもと遊ぶ
19:15
入浴
20:30
髪を乾かす、歯磨き
21:00
寝室へ。夫帰宅(出社時)

保育園までの距離、送り迎えの担当を教えてください。

自宅から車で30分、私の職場から5分ほどのところにある認可保育園に通っています。夫の職場は私の職場と真逆で、夫の職場からだと保育園まで車で1時間かかるため、以前は送り・迎えともに私が担当していました。新型コロナウイルス対策で夫婦ともに在宅勤務が増えてからは、私70%・夫30%程度になりました。

保活はいかがでしたか?

今住んでいる地域は認可保育園に入る人がほとんどで、「保活」と言えるようなことはしていません。正社員であれば、よほどでない限り4月入園なら入れます。保育園選びでは「子どもがすくすく育つ幼稚園・保育園 ~教育・環境・安全の味方、付き合い方まで~」(猪熊弘子、 寺町東子)を参考にしました。そもそも選択肢が少なく、家の近くか・職場の近くかぐらいしか実際は選べませんでしたが、子どもが1日の大部分を過ごす大切な場所なので、保育の質とはなにか、事故・事件が起きてしまう園はどんな要素があるものなのか、保護者にできることはなにがあるか、ということを理解しておきたいと思い、この本を読みました。最近ネックになっていることは、在宅勤務との関係です。ちょうど保育園の希望を出すタイミングで引っ越しを検討していたため、自宅近くではなく職場近くの保育園にしたのですが、結局引っ越しが立ち消えになりました。そうなると職場近くの保育園まで30分と遠いことはなかなかつらいものがあります。

ご夫婦で家事はどう分担されていますか?

コロナ前は夫の帰りが遅く、21時を過ぎるのが普通だったので、平日の家事はほぼ私で、夫はゴミ出し、お風呂洗い、おもちゃ片付け、洗濯機のスイッチを押す、くらいでした。夫はもともと料理関係(食料の買い物なども含む)以外の家事は、時間さえあれば大体はできるタイプなので、コロナによってほぼ在宅勤務になって必然的に夫の担当分が増えました。掃除は気になるレベルが2人で違うので、私が追加でやる部分も多少ありますが、許容範囲です。料理も徐々にやれるようになってほしいと思っています。

家事の分担について、ご夫婦で話し合いなどをされたことはありますか?

前は、夫の帰宅時間が遅かったこともあり、家事の分担を交渉する気持ちを持てませんでしたが、仕事と家庭のバランスについては話し合いをしたことがあります。夫は望まない長時間労働をして、心身に負担が出ているように見えました。それを主体的に変えようとしているのか(できるのか)・行動しているのかどうかがわかりませんでした。夫に対して「あなたはなにを大事にするか・選択するか、自分で考えた結果として今の長時間労働なんだよね。家族の時間がそれによって減っていても、あなたが望んでいるという理解で間違っていないよね」という形で本人の意思・気持ちを確認しながら、私の意思や気持ちもアサーティブに伝えるために、悪戦苦闘しました。結果、時間はかかりましたが、夫が自分自身を振り返ってくれ、「今の働き方は自分が望んだものではない」という結論に至ったようです。上長と交渉、部署異動となりました。これが彼自身の心身の健康につながってくれることを祈っています。

お仕事と育児を両立するために必須のアイテムやサービスがあれば、教えてください。

家電をいろいろと使っています。賃貸ですが食洗機をつけました。Panasonicの「NP-TH1-W」で、狭い台所ですが、工事業者さんに置台とあわせて設置してもらいました。毎日2~3回使用しています。もうない生活には戻れません。
縦型洗濯機の乾燥機能も便利です。縦型でも問題なく乾いています。朝、洗い終わったものを乾燥機可/不可にわけ、可能なもの(タオルや靴下、子どもが保育園で使用するお手ふきなど)は晴れでもそのまますぐ乾燥機にかけています。干す手間が減るだけでかなり気楽です。たたまない収納にしているので、乾いたらそのまますぐ横に設置した棚にぽいぽいと入れています。
ブルーレイレコーダーのDIGAも使っていて、録画した番組をスマホやタブレットに落とせるので、移動中や子どものグズったときに見せたり、家事をしながらスマホからブルートゥースイヤホンで音声だけ聞いたりしています。私のスマホは格安SIMで最低限のプランにしているので、外出先でYouTubeを見るとあっという間に通信量を消費してしまいます。DIGAはデータを落とせば通信料を気にする必要がなくありがたいです。
あとは、ヘルシオオーブンも毎日使っています。特に「低温蒸し(70度ソフト蒸し)」機能に惚れ込んでいて、とにかく野菜もお肉もおいしくなるうえに、調理工程が簡単なので、夫が自分から「これなら俺でもできそう」と言っていました(笑)。常に火の前にいる必要もないので、ほかの作業を並行してできるのも便利です。
ほかには、ブラーバ、スマートウォッチ、ワイヤレスイヤホンも使っています。

スマートウォッチやワイヤレスイヤホンはどんな風に使っていらっしゃいますか?

スマートウォッチは睡眠記録を取ることを第1優先に、HUAWEI Band 4を購入しました。どんなときに深い睡眠が少なくなるのかを観察する習慣、少しでも改善するためのストレッチやサプリなどの習慣がつきました。「深い睡眠が少なかったら翌日は早く寝る」など気をつけるようにしています。
ワイヤレスイヤホンは家事をしながらでも邪魔にならないので、音楽のほかにもお役立ちYouTubeやVoicyなどを聞いたりしています。これまでは音楽や音声を普通に流すと、子どもが「〇〇のお歌がいい!」などと反応してくるので、自分の好きなものを聴く機会が激減していましたが、イヤホンなら気づかれません。また、通勤時も移動の隙間時間になにか聞きながら歩いています。

いろいろうまく使っていらっしゃるのですね!ほかにもなにかありますか?

Amazonプライムを2年半利用しています。きっかけは、オムツとおしりふきが定期おトク便で15%オフになることでした。もともと操作画面の見やすさから楽天よりAmazonが好きで、ネットで物を買う場所はできる限り集約したい派なのもあり、プライムだと大半が送料無料になるのでいろいろと購入しています。お急ぎ便もときどき使います。Amazon Music(Prime)は、ダウンロードしてオフラインでも聞けるので重宝しています。
ほかには、写真共有アプリ「みてね」と「ALBUS」を使っています。「みてね」は遠方にいる義理の両親にシェアすることを意識して、夫と娘が楽しく過ごしている写真をたくさん撮り、少しでも喜んでいただけたらと思っています。「みてね」でも冊子型のアルバムを作れるのですが、私は写真が趣味で、普段の生活で家族の目に入る形で残したいという気持ちが強いです。冊子型だと作って終わりになりがちで……。「ALBUS」は写真だけ届き、別売りのアルバムに差し込む形です。ポケット型の見開きで飾れるアルバム(非公式のものを別途購入)に1ページ1ヶ月(マンスリーカード含めて9枚)収まるように入れて、壁の飾り棚に乗せています。これなら毎日目に入りますし、気分転換で違う月の写真を飾りたいときもページを変えるだけで済みます。娘も写真を見ながらいろいろコメントをくれるのでうれしいです。
コープ(生活協同組合)は、出産前は週1回の注文に慣れずあまり使っていませんでしたが、今は大活躍です。野菜嫌いの娘のために、3歳のいまでも離乳食用のバランスキューブ(野菜ペーストを凍らせたもの)をこっそりスープやうどんのおつゆに混ぜたりしています。

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