公開: 作成:2021年05月27日

出産後、フルリモート・フルフレックスで柔軟に働ける会社に転職

ころろさん

東京都 / 30代半ば / カスタマーサクセス / 正社員
家族構成:自分・夫・息子(3歳)

仕事について

出産前Before

メーカーのプリセールス/サポート部門
正社員
9:00~17:30 ※残業月10~30時間

出産後After

ITスタートアップ企業のカスタマーサクセス
正社員
8:15~17:15(フルフレックス・みなし残業制)

お仕事について教えてください。

ITスタートアップ企業で、カスタマーサクセスを担当しています。カスタマーサクセスは、自社製品を使ってくださるお客様がビジネスを成功させるために積極的な支援、活用・改善提案などをおこなう業務で、既存顧客のオンボーディング(導入支援)にはじまり、導入後に伴走し、自社の製品を最大限活用してもらうための業務改善提案、そのためのデータ分析やライティングなどを担当します。また、前職ではインサイドセールスも担当していたので、経験を活かしてインサイドセールス関連もおこなうサブ的な立ち位置で対応しています。1日数時間はひとりで作業、打ち合わせは平均して1日2件(1件1時間ほど)くらいあります。あとは時期によってお客様からSlackやメールで届く相談への対応が入ります。打ち合わせは社内・社外ともにあり、やや社外が多いです。自分が担当しているお客様との定例ミーティングなどがあるほか、採用関連の面接や面談も対応しています。打ち合わせはすべてオンラインです。今の会社は、社内ミーティングが少ない方だと思います。各自がナレッジ共有ツールに情報を書き込み、ほかの人があとからコメントをつける形でのやり取りが多く、打ち合わせのスケジュールを合わせなくても仕事が進む仕組みになっています。

フルフレックス制ということですが、実際どのようなスタイルで仕事をしていらっしゃいますか?

チームメンバーにだいたいの労働時間は伝えていますが、実態は日によってまちまちです。月の労働時間が8時間×営業日を超えていればOKとなっています。子どもの発熱などで日中に抜けることもできますし、勤務時間が不足した分は、寝かしつけ後に対応したり、別の日に長く働いたりして調整しています。入園式や遠足に備えて、事前に土曜日に前倒しで仕事することもあります。
社内には小学校高学年のお子さんがいる方もいますが、お子さんの長期休みのときは、日中に仕事を抜けて、その分、朝や土日、お子さんが塾に行っているタイミングに仕事を進めるなど工夫されています。女性だけでなく、男性でも登園時と降園~寝かしつけまでは離席し、そのあと業務を再開する方もいますし、子育てだけでなく、私用などで抜ける人も普通に多く、「ママパパが特別な働き方をしている」というよりは、全員が同じようにフルフレックスで働いている形です。

かなり柔軟な働き方ができる制度なのですね!職場の雰囲気はいかがですか?

今の会社は産休・育休の所得実績があり、代表はじめ創業メンバーも性別問わずお子さんがいる方が多く、とても子育てしやすい環境だと感じています。それも、「子育て中の人にやさしい」のではなく、ほぼすべての社員がフルフレックス制度で働いていて、みんなが働きやすい環境になっています。個人的にママパパに特化した制度などはあまり好きではなかったので、だれもが同じように制度を使って働いている環境はとても気に入っています。コロナ禍以前から全社員フルリモートで働いていて、オフィスに行くこともできますが、基本は在宅で仕事ができるのもとてもよいです。前職でも、コロナ禍で一部在宅勤務が可能になりましたが、「“リモートも”できる」と「リモートは当然できて、“出社も”できる」では、働きやすさに雲泥の差があると思います。「子どもをお迎えに行く時間に抜けて、寝かしつけ後や土曜の朝に少し仕事をする」といった配分ができるのも、とても助かっています。
人間関係もお互いさまのスタンスで、ほどよい距離感でお互い尊重しあっており、本当に働きやすいです。定例ミーティングなども「入園式なので休みたい」と事前に共有すれば、日程を変えてもらえたり、顧客対応を代わってもらえたりします。もちろんその代わりにほかの方がお休みのときは対応を代わったり、チームが忙しいときには、自分にできそうな業務を先んじて巻き取る提案をしたりしています。

前職についても伺えますでしょうか?

以前は一部上場のメーカーに勤務しており、新卒入社以来、大型産業機器を担当する事業部のプリセールスおよびサポートの部門にいました。出産後も同じ部署に復帰したのですが、2020年の年初に同じ事業部でインサイドセールス部門を立ち上げることになり異動しました。
私はプリセールスやサポートといった仕事が大好きで、業界として今後の成長性に不安はあったものの、職種としての適性はあったと思います。大きな組織なので異動は仕方がないのですが、異動後はやりがいをまったく感じられなくなってしまいました。

そうだったのですね。異動はころろさんの希望だったのでしょうか?

異動したいという相談自体はしていました。元の部署は仕事内容も人間関係も非常によく、部門全体にダイバーシティの意識があり、子どもの体調不良などで休むことについても、心配されても批判されることはまったくありませんでした。私は数年間不妊治療もしていたのですが、当時の上司はとても理解があり、この部門だったから子どもが産まれたと言っても過言ではありません。子育てだけでなく、再雇用の方や持病があって定期通院が必要な方、まとまった休みをとって定期的に旅行に行く方などもいて、仕事はしっかりしつつプライベートもきちんとバランスを取れる環境だったと思います。ただ、とにかく勤務地が遠く、通勤に往復3時間半以上かかっていたんです。復職後は、保育園の送り迎えを考えると勤務時間を短くするしかないのですが、時短勤務を取っていると人事評価も最低のまま固定されてしまうため、復職時の部署では産休前と比べて年収が4割以上も下がりました。それで、自分から「近くの拠点に異動したい」と相談していました。ちょうど近場の拠点で、担当商材の新規部署立ち上げ構想があったのでそこに異動した形です。異動したことで、通勤時間は往復40分ほどとかなり近くなったので、その点は解消できました。フルタイムに戻すと残業もしなければならない雰囲気があったため、その対策として30分だけ時短勤務を設定していました。結局残業してしまうこともありましたが……。
異動後の部署は、メンバーはよかったのですが、上長の理解がなく、休むときには舌打ちされることもありました。メンタル不調で休職する方も多い部門だったので、全体的に雰囲気がかなりよくなかったです。以前より業界の成長性に疑問をいだいていたことや、業務内容にもいろいろと納得できないことがあり、このまま努力しても、合わない価値観に自分を合わせ続けなければいけない、自分に対しても顧客に対しても納得のいく仕事ができない、と考えて転職することにしました。

転職活動についても詳しく教えてください。

2020年の春ごろから転職活動をはじめたのですが、なかなか苦労しました……。行きたい業界も職種も決まっていたのですが、夫の反対にあって、4月の緊急事態宣言から夏まで活動を中断しています。その後も、本来ならこの時期に敢えて転職するのはどうかと思いつつも、これ以上そのときの職場にいてはメンタルをやられると感じたので、細々と再開しました。夫には「今の職場でできる努力はするけれども、やはりここでは自分が納得できる将来図を描けないので、転職活動を再開したい」と話しました。社内でも人脈を頼って、再度異動できないか水面下で動いていたのですが、当面難しいことが見えてきており、そのことも夫に伝えていたため、転職活動の再開についてはスムーズに合意形成できたと思います。

夫さんが転職に反対していたのはなぜでしょうか?

本人に聞いたところ、
・ちょうど保育園から幼稚園に移ったタイミングで、母親の生活スタイルが劇的に変わることで、息子に影響が出ることを心配していた
・それまでは大手企業で働いてきて、コロナ禍で転職して成果が出なかったら、またすぐに辞めることになってしまうのではないか。その場合はキャリアに傷がついただけで終わってしまうのではないかと懸念した
ということでした。今の職場については、受けている段階から会社のことを調べてくれており、まず文化や価値観が合いそうな会社であること、フルリモートで家庭とも両立しやすそうなのでいいんじゃないか、ということで賛成でした。

なるほど。コロナ禍では転職活動もいろいろ影響がありますよね。転職活動はどういったところを使っていましたか?

エージェントにもいくつか登録し、とても親身になってくれたのですが、最終的に自分にあっていると感じたのは「求人媒体に職務経歴を詳細に記載してスカウトを待つ」というやり方でした。私は特にWantedlyと相性がよかったです。Wantedly経由の面談・面接はすべてオンラインで実施しました。子どもがいることも記載しているので、「それでもよい」と考えている企業からのスカウトになります。こちらから応募する場合と比べて、企業のニーズに自分がある程度マッチしている状態での面談からスタートできるので、心理的なハードルが下がります。詳細に経歴を記載したところ、月に5件ほどのペースでスカウトをいただきました。カジュアル面談をお願いしながら、いろいろと話をするなかで、特に企業側のニーズがあいそうで自分がかねてからやりたいと思っていたジャンルの会社にご縁をいただいて入社に至りました。それまで何社も反対していた夫が、現職に関してだけは賛成だったのが興味深いのですが、現在とても満足して働けているので、夫が慧眼を持っていたのかもしれません(笑)。

エージェント経由よりも、スカウトを待つ方法の方が自分にあっていると感じた理由を伺えますか?

繰り返しになりますが、ある程度、自分のスキルなどに対してニーズがある企業と初めからやりとりできる点です。エージェント経由でも何社かつないでいただいたのですが、「自分へのニーズがある」というよりも、企業側のニーズにあわせて職務経歴書や面接を仕立てることにエネルギーを使ってしまい、転職後も企業にあわせていく必要があるかもしれないと感じていました。このあたりは性格や、本人の希望にもよると思いますが……。
Wantedlyなどの求人媒体は玉石混交なので、すべてがよいスカウトではないところもありますが、詳細に自分のバックグラウンドを記述しておくことで、「職務経歴のこのコメントとスキルにビビッときました!」と社員の方から直接声をかけてもらえるのはよかったと感じています。

職務経歴を書くにあたって「こういうことを書くとよい」などのポイントがあれば教えていただけますか?

「この先やってきたいこと」などの欄に、今後いきたい業界・業種、自分の希望する働き方に加えて、制約事項についてもポジティブに受け取れるよう具体的に記載することだと思います。特に未経験の業界・業種への転職を希望する場合は、これまでの経歴と、その業界・業種にいきたい理由で相性のよい部分を探して、説得力をもたせるようにと考えていました。職務経歴については開示できる範囲でなるべく具体的に、転職後も再現性があると思われるように書くことがお勧めです。
またオンラインでの面談で、口頭で前職の業務内容を理解してもらえるよう説明するのが難しかったため、実績についても職務経歴以外にPowerPointでポートフォリオを作成して、紹介できるようにしていました。あと私は資格の勉強が好きで、業界資格や、応用情報技術者などIT関係の資格も複数とっていたので、そのあたりも入れていました。私は非ITの業界からIT業界への転職を目指していたので、意欲を説明する意味では分かりやすく、書類選考のような段階ではそこそこ役立ったかもしれません。

未経験からIT業界へ転職されていますが、同じようにIT業界を目指す方へのアドバイスがあれば、お願いできますか?

なかなか難しいのですが……、当事者としてIT業界の働き方に魅力を感じて目指す方が多いように感じていますが、そもそも自分がITを好きかどうかはまず考えてみることをお勧めします。そして、必要になるのは、業界への情報感度と行動力だと思います。情報収集をして、仕事や家事の効率化になりそうなITツールやアプリを試してみたり、業務効率化のためにExcelのマクロや関数を使っていたり、ナレッジ共有のために社内サイトを構築したり、といった経験がある方には、入ってきやすい世界ではないかと思っています。

転職の条件として挙げていたものがあれば教えてください。

リモートワークできること、あとはフレックスだとよいなとは思っていました。
リモートワークは絶対条件ではありませんでしたが、できれば時短ではなくフルタイムで働きたいと考えており、出社が必要な場合はどうしても残業ができなかったり、時短勤務になってしまったりする可能性があるため、可処分時間をなるべく維持したままフルタイム(できれば残業もしたい)となるとリモートワークできる環境の方があっていると考えました。候補としていた企業のなかには、「リモートワークは週数日ならOK、ただし出社する際は19時まで在席する必要がある」といった企業もありました。コロナ禍もあって、今の時期はこういった企業が多かったように思います。この点はどうすべきか悩みましたが、短期的にクリアできても、コロナ禍が明けた際には出社日数が増えるのではないか、など長期的にはネガティブな影響が出ると考えて、見送りました。
最終的にはリモートワークができて、フルフレックスの今の会社に決まってよかったです。実は今の会社はフレックスだということをあまり打ち出していなくて、最終面接後に職務内容や給与、勤務時間などの認識合わせをおこなうオファー面談で初めてフルフレックスだと知りました。

お仕事での悩みなどはありますか?

現職では悩みは特にありません。強いて言えば、ITスタートアップで働いていくために、スキルのキャッチアップは課題だと感じていますが、苦い経験も含めて、非常に楽しく働いています。これは職種との相性もあって、自分のスキル不足を感じても、もっと伸ばせると思えるジャンルの仕事だからかもしれません。フルフレックス制度のおかげで、休みも以前より調整しやすくなりました。


生活について

タイムスケジュールSchedule

7:00
息子と起床、お弁当と朝ごはん作り
7:30
息子朝ごはん、夫を起こす、幼稚園の支度
8:20
勤務開始(夫が着替えや最終チェックを担当)
8:40
息子と夫が登園
11:30
昼休憩、家事や買い物など
17:20
退勤、炊飯、お風呂を沸かす
17:30
息子お迎え (幼稚園の預かり保育)
18:00
お風呂
18:30
夕飯
19:00
息子と遊ぶ、ワークなど
19:45
絵本
20:15
就寝(遅いと21時くらいまで起きていることも)
21:00
仕事(タスクがあれば)もしくは家事
22:00
家事、片付け、趣味の時間
24:00
就寝、夫帰宅(23時~25時ごろ)

保育園までの距離、送り迎えの担当を教えてください。

今は歩いて10分の私立幼稚園(預かり保育あり)に通っています。預かり保育は、コロナ禍で就業者限定ですが、1/3くらいは利用しているようです。
送りは夫で、迎えは私ですが、月数回は私が送りも担当します。つい最近までは認可保育園に通っていました。

幼稚園に通われているのですね。保育園から転園した理由を伺えますか?

今でもこの選択がよかったかどうか、正直まだ分からないのですが、保育園時代から息子の対応にかなり難しさ(育てにくさ)を感じており、早い段階から保育園以上に集団行動が必要な状況に慣れた方がよいのではないか、と考えたためです。また、保育園は距離の関係で同じ小学校に通う子がほとんどいなかったこともあり、同じ小学校となる子と先に人間関係を作っておきたいという意図もありました。
入園できる資格をいただいたあとも、最後まで辞退して保育園に通い続けるべきか非常に悩みましたが、幼稚園の園長先生をはじめ、先生方に夫とともに課題感をお伝えしたところ、「発達障害がある子も見てきた実績があるので大丈夫ですよ」とおっしゃっていただいたため、転園を決めました。

幼稚園の入園まではスムーズだったのでしょうか?

幼稚園は何度か土曜開催のプレに参加して登録し、無事に入園することができました。たまたまコロナ禍で定員割れしていたようです。息子が通っている幼稚園はかなり良心的で、プレに登録し、参加していれば入れるようです。それでも過去には、願書を出して面談だけというケースなど、落ちてしまうこともあったと聞いています。

以前通われていた保育園についても教えてください。保活は大変だったのでしょうか?

妊娠中に自治体の相談カウンターにいき、我が家の点数から状況を予測してもらったのですが、「認可外かインターナショナルスクールなら入れます」と言われました。つまり、認可保育園は入れない、ということです。そこで、早い段階から、入園は難しいと思われる人気の私立認可保育園も含めて15園ほど見学にいき、あわせて自宅近くの小規模な認証保育園の枠を予約しました。結局、0歳では認可保育園に入れず、0歳10ヶ月から予約していた認証保育園に通い、加点を受けた状態で翌年4月に公立の認可保育園に入れました。
公立認可保育園では一部、0歳児クラスがなく、1歳児クラスからの受け入れで、通うことになった園も1歳児からでした。それもあり1歳児の受け入れ人数が多かったこと、またここはきちんと見てくれる割に、私立保育園でよくある音楽・体操・英語などの習いごと要素が一切ないこともあり、希望者が少なかったようで、点数的にもちょうど入ることができました。ただ、こちらの保育園は先生が体操や科学的な興味を沸かせる遊びをいろいろと企画してくださっていて、とてもよかったです。

家事の分担はどうされていますか?

平日はほぼ私で、土日の洗濯と片付けは夫の担当です。
夫は基本的に激務で、平日は深夜にしか帰ってきません。帰宅が日付をまたぐことも多いですし、休日出勤も多いです。しかし息子のことはなにより大事に思ってくれていて、朝の登園は仕事がない限り確実にやってくれるので助かっています。息子も夫のことが大好きです。

ワンオペ、お疲れさまです……。そのなかで家事と育児の両立に必須のサービスやアイテムがあれば教えてください。

つくりおき.jpとパルシステム、ホットクックです。
近所にスーパーがないので、つくりおき.jpとパルシステムには大変助けられています。つくりおき.jpは火曜配達にしていて、水・木・金の疲れている日の夕飯や自分の昼ご飯に活用しています。ただ、値段がやや高いことと、毎回では飽きてしまうので、隔週にして、パルシステムのミールキットや冷凍食品と、ホットクックでの煮込み料理を入れてサイクル化しています。

つくりおき.jp、実際に使われていかがでしょうか?

副菜が多くて、野菜をたくさん食べられること、味付けが薄めなことを気に入っています。また、一般的な冷凍のお惣菜などに比べて食材がかたくて、咀嚼が必要なのもいいです。料金は高いですが、量も十分だと思います。子どもには味見をして、食べられそうなものを挙げています。ナッツや辛いものが入っている場合もあるため、100%とりわけできるわけではないですが……。いろいろ試すのが好きなので、Oisixやヨシケイもやっていましたが、ミールキットの味付けが好みにあわず、結局自分で味付けしたりしていました。つくりおき.jpはかなり好みに近いので、それも嬉しいところです。
ただ料理に関しては、夫も私も自分たちの味付けが好きな方でして、生活が軌道に乗ってきたら、外部サービスの比重を減らして、自炊率をあげたいと思っています。スーパー不毛の地だったのですが、近くにカルディとスーパーができる予定もあるので、それも楽しみですね。

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